ランナー泣かせ!膝の故障の実態と予防について『鵞足炎と腸脛靭帯炎』
ランニングをしていて最も故障が頻発する部位は膝と言えるでしょう。
しかし、ひと口に膝と言ってもどこに痛みが出ているのかによって、その症状や対処法は異なります。
今回は代表的な2つの膝の故障について解説していきますので参考にしてくださいね。
なぜランニングで膝を故障する?
走るという運動は、よく言われるように着地のたびに体重のおよそ3倍の衝撃が膝にかかります。
体重50kgの方でも150kgもの負担を1歩1歩繰り返しているのです。
フルマラソンを走ると3万~4万歩着地をすると言われていますのでその蓄積は相当なものとなるでしょう。
ランニングシューズのクッションやランニングフォームの改善、脚力強化などによりそれを緩和しながら走るわけですが、特に初心者や走り始めて間もない方は十分に衝撃を緩和できずに膝の痛みを発症しやすい傾向があります。
また、初心者ではなくても走りすぎによって膝への負荷がかかりすぎたときには故障してしまうことがあるので、オーバーユース(使いすぎ)にも十分な注意が必要ですね。
では、代表的な膝の故障である鵞足炎と腸脛靭帯炎について確認していきましょう。
鵞足炎(がそくえん)
膝の内側~下側が痛む場合は、鵞足炎になっていることが考えられます。
ハムストリングスや内転筋につながる腱が集まっている部分(鵞足)に炎症が起きて痛みを発症している状態です。
ハムストリングスなどと関係している部位なので、ランニングで脚を後ろに蹴り出す際に痛むことが多く、膝の曲げ伸ばしの際に集中している腱同士、あるいは骨と擦れることが直接の原因と言われています。
また、プロネーションの合わないシューズを履いていたりすることで、過度に足首が内側に傾いたり重心バランスが崩れることでも起こりうるということです。
他の人にランニング時に脚が内側に入っていないか?(X脚)、あるいはかかとが変な形で傾いていないか確認してもらうといいですね。
軽症であれば、経験的には痛みが出たときのアイシングで対処可能だと思いますが、重症になれば痛み止めの注射や電気治療なども行われます。
腸脛靭帯炎
膝の故障で最も厄介なものとしては、この腸脛靭帯炎(ランナーズニー)と言えるでしょう。
名前のとおり、ランナーに発症しやすい症状でもあり、脚の外側についている大きな腸脛靭帯と膝の外側の外果と呼ばれる骨のでっぱりが擦れることで痛みを発症します。
例に漏れず、走り始めのころに私も鵞足炎と腸脛靭帯炎の両方罹りました。
鵞足炎がこまめなアイシングで対処できていたのに対して、腸脛靭帯炎はごまかしながら走ることも出来ずに安静を余儀なくされました。
酷くなると歩くのも痛くなり、運動の休止、安静が一番の治療法となりうることが多いようです。
ランナーにとって走れないというのは辛いものです。
多くのランナーが走れる距離や時間が増えてきて、やりすぎることで発症するケースが多いので、ランニングが楽しくなってきた時期の故障とも言えそうです。
難しいのですが、自分の持つ脚筋力のポテンシャルと走っているペースや距離などがかけ離れていないか冷静に判断することが大切ですね。
まとめ
出来れば故障なく走り続けたいと願うのはランナー共通の想いでしょう。
故障を防ぐには、練習量の管理やランニングフォームの改善、ランニング前後のケアなどが必要となってきます。
少し走れるようになると、月間走行距離などの自己ノルマを課してしまったり、自分の実力を過信してオーバーユースになったり、故障リスクは増えていきがちです。
つい疎かにしてしまうと、走れない、痛いという代償を払わないといけなくなるので、痛みを予防する対策については出来る限り行うことが何より大事なことですね。
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