改善すると速くなるってホント?ランニングエコノミーってなに?
日常的に走っている市民ランナーの皆さんにも「ランニングエコノミー」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。
実験室などで得られるデータのため、直接体感することがないことも一因でしょう。
しかしながら少しでもラクに走るには必要な理論であり、フォームにも関係しているようですよ!?
目次
ランニングに必要な科学的な概念とは?
特に、フルマラソンを速く走る!ということにスポットをあてて考えた場合、重要な要素を3つあると言われています。
・最大酸素摂取量 ・・・ 車に例えると排気量のようなもの。いかにたくさんの酸素を吸い込んで全身に
送ることが出来るか?の指標。
・乳酸性作業閾値 ・・・ 運動強度の高まりとともに心拍数が一定以上になると、血中の乳酸が増えてき
て筋肉が悲鳴をあげます。その悲鳴が出るまでの値のこと。
・ランニングエコノミー ・・・ 最大酸素摂取量に関係しており、取り入れた酸素をいかに効率よく使う
ことが出来るかの指標です。車で例えると燃費の部分ですね。
実際には、体調や天候などにも左右されるランニングですので、これらの科学的データと速さ・スタミナ、どの程度シンクロするのかは議論があるようですが、理論としては間違っていないのだと思います。
ランニングエコノミーとは?
直訳すると「走りの経済性」となるのでしょうか?
より少ないエネルギーで効率よく走れる能力のことを指します。
車に例えるとわかりやすいですね。
同じ距離を走るにもA車はガソリンの消費量が7リットル必要だったのに対して、B車では3リットルの消費量で済みました。
となると当然B車のほうが経済的ですよね?
長時間の連続した運動であるランニングでは、限りあるエネルギーをいかに効率よく使うかが、走りのパフォーマンスを決めると言っても過言ではないでしょう。
同じエネルギー量を持つランナーに例えると、Aさんは42.195km完走しましたが、Bさんは30kmで脚が止まってしまい走れなくなりました。
この場合、Aさんのほうがランニングエコノミーが高いということです。
ランニングエコノミーってどうやって算出するの?
ランニングエコノミーの測定は、自分自身やGPSのデータなどを分析しても測定できません。
あるスピードで走ったときの酸素摂取量を測定するため、専門の施設で行われます。
一定の速度で走ったときの、酸素摂取量が多ければランニングエコノミーが低い、つまり「酸素が経済的に使われていない=燃費が悪い走り」となります。
一方、酸素摂取量が少なければ酸素を効率よく使えているということになり、ランニングエコノミーは高いと評価されます。
イコール燃費のいい走りとも言えますね。
ランニングエコノミーはどんな要素に影響されるのでしょうか?
もちろん、個々の体格や筋力など個人差がある部分はありますが、ランニングフォームが密接に関係していると言われています。
やたら不必要な動きが多かったり、必要以上の腕振り、上下動の多さなどがエネルギーロスを蓄積しているのであれば、ランニングフォームを改善していくことでランニングエコノミーも高まるということですね。
トレーニングも月間走行距離も目標どおりクリアしているのに、記録が頭打ちだったり、伸び悩んでいるランナーの中には、このランニングエコノミーを意識してみると今まで見えなかったヒントがあるかもしれません。
でもランニングエコノミーの測定はすぐに出来ない方が多いので、フォームの研究や試行錯誤を行うことがランニングエコノミーを意識することとなりうるでしょう。
どうすればランニングエコノミーを高められる?
ランニングフォームの中で見た目に分かりやすいのは、身体が前傾しすぎて猫背になっていたりすると前へ進もうとする力は弱まり燃費が悪くなります。
また身体の上下動の多さや左右にぶれるなど体幹が弱いフォームは経済的な側面から見ると非効率です。
ランニングフォームについての記事にも書いていますが、まっすぐに立つことが出来なければ理想のフォームには近づきません。
常日頃から姿勢を意識して、背筋の伸びた姿勢を意識しましょう。
それから体幹の筋トレ、つまりコアトレーニングを行って体幹を強化することもフォームの安定につながります。
闇雲に距離を踏むばかりでなく、理想的なフォームについて追求をしてみると違う結果が出るかもしれませんね。
まとめ
ランニングエコノミーについては、他の科学的な指標に比べてその意味はとてもわかりやすいと思います。
ランニングとくにフルマラソンやウルトラマラソンなどになると、いかに省エネで走るのかということが非常に大事なポイントであり、走りのパフォーマンスに直結するのです。
車の燃費に例えてお伝えしましたが、実生活でも燃費のいい車、つまりハイブリッドカーや軽自動車が大人気の世の中です。
あなたのランニングもハイブリッド並みの省エネ走法となり、どこまでも快適に走り続けられる…
そんな風になると嬉しいですよね。
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